ある朝の光景
仕事でヘロヘロになって、おまけに長電話で心がササクレ立って、一夜明けると、いい天気で少し気持ちを持ち直して、いつものバス停への道をテクテク歩いている。休日なのか若い母親と雄のガキンチョが道端の花壇の側に屈んでいる。ガキンチョの興味はどうやら小さな黄色い花らしく、短いふっくらした手を花に伸ばそうと足掻いている。
母親は上半身を低くして写真を撮ろうとしている。最近では珍しくもない光景だけど、二人がとても「幸せ」(この場合、親と子供はどっちが「より幸せ」なのだろう?)に見えたので、通り過ぎた小生は振り返ってしばらく両人を観察?回想?していた。母親も満ち足りた慈愛を振りまいている。
オットォ、、、!
ガキンチョが振り向いた。
(おいおい、ガキンチョ、なんでこっち向くの?マズイだろそれ、コレでは小生が撮影を邪魔しているみたいではないか)
被写体の異変に気がついた母親が顔を上げると初老の薄汚い爺いが数メートル越しで観察していたことに気がついた様だ。
ガキンチョも黄色い花よりも「知らない爺い」が面白いらしく目を逸らさない。
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カテゴリー: 日記・エッセー
投稿日時: 2024/10/13 4:05
ヨーイチ