零時の重なり

零時の重なり
午前零時、古びた時計塔の鐘が静かに鳴った。 その瞬間、時計の針がぴたりと重なり、街の時間が止まった。 誰も気づかない。けれど、彼女だけは知っていた。 「また来たのね」 時計塔の下、白いワンピースを揺らしながら少女はつぶやいた。彼女の前に現れたのは、灰色のコートを着た青年。彼は、毎月満月の夜、時計の針が重なる瞬間にだけ現れる。
夜の祝福あれ☾·̩͙⋆
夜の祝福あれ☾·̩͙⋆
絵を描いたり、小説を書いたりするのが趣味な高校生。夜行性なので、夜に書くことが多いです。 現在は、「書く習慣」にも生息してます。名前も同じなので良かったら探してみて下さい