第2回N1参加作品 生存本能

第2回N1参加作品 生存本能
 今、世界は混乱に包まれていた。突如として現れた未知の病気「採択乾坤急死症(サイタクケンコンキュウシショウ)」。人類にのみ感染する「採択乾坤ウイルス」によって発症し、その感染率も高い。発症した人の約75%が発症後、一時間後に心筋梗塞によって死亡する。では、残りの約25%の人たちはどうなるのかというと、一時間経っても死亡しない。しかし、その代わり「この病気の抗体」を得る。しかし、この病気の治療法どころか、ウイルスの感染経路すらわかっておらず、今のところ、有力な予防方法は「病気の抗体を体に入れる」だけである。  御手洗笑輝(ミタライショウキ)は人生謳歌中の30代会社員。恋人はいるし、仕事も上手くいっている。そんな彼は朝から、体が少し変に感じた為、病院に来ていた。奥の個室から出てきた、マスクをつけた膨よかな医者が笑輝の目の前の椅子に座る。ゴム手袋をつけた手でカルテをペラペラとめくりながら、笑輝の顔をチラチラ見る。 「え〜…笑輝さん…驚かずに聞いてくださいね…」 「まさか、僕…死ぬんですか…」 「まぁまぁ…それよりも検査の結果ですが…」 少し膨よかな医者は神妙な表情をして笑輝のことを見つめるが、すぐに笑顔になって喋り始める。 「『採択乾坤ウイルス抗体』を保持していました!貴方、世界の希望ですよ!」 「ウイルス…抗体?」 「ええ、採択乾坤ウイルスに感染したが、心筋梗塞を起こさず生き残った数少ない人間!それが貴方です!」
紫陽花
紫陽花
そこらへんに生えてる紫陽花です。 夢は漫画家、そのためにストーリーを練ってます。 小説や漫画はなんでも読みます。 バトル、ハートフル、ラブコメ、BL…なんでも御座れ!