何も要らない

何も要らない
何も要らない、何もかも。 そう思いながら一人で帰る学校の帰り道。今日の帰り道はいつもよりずっと静かだった。いつもは同じ学生がわーわーして帰っている時間だった。私は今の空気が好ましく、いつもは足早で帰るが今日はゆっくりと帰った。 家に帰ると誰もいなかった。私の家族はすぐに喧嘩をするので玄関に来たら叫び声や怒鳴り声が聞こえることはそう少なくなかった。だから珍しかった。玄関の靴を見た時まだみんな帰ってきていないことを理解した。そして私はリビングに上がっていく。何故だろう、次第に頭が痛くなってきてしまった。そう思いながらリビングに上がると母の携帯があった。これは私にとってとても不思議なことであった。母は携帯を置いて外出は絶対にしない人なのである。では喧嘩で靴を捨てられたか、と思いリビングのソファーにいると思い覗いた。結果はいなかった。これは本当におかしかった。リビングに来る時にトイレも見たがいなかった。実に不思議だった。そういえば今日の学校は無くなったのだろうか、?さっきまでの記憶が無くなっていた。だんだん頭が強く痛んでくる。そういえば今日嫌がらせをされた記憶が無い。あの人達は居なかったのか、?それとも私が学校に行かなかったのか、?段々自分でも分からなくなってしまった。もう寝よう、そう思った。そして寝室に行く。頭が割れそうなほど痛かった、死ぬんじゃないかと思いながら寝室から見えるベランダを見ようと思った時ふと視界に写った。部屋のど真ん中で首吊りをしている自分が。 全て思い出した。
海
ご覧頂きありがとうございます 結構病みやすい性格をしていますが仲良くしていただけると嬉しいです 空白が多くて申し訳ないです。