第7話 やるべきこと

第7話 やるべきこと
 ヴァルドラ帝国軍撤退後のアストリア国境付近に建てられている帝国のテント。中は後片付けもなにもされていない放置状態で、無数の情報が散りばめられていた。だから俺はすぐにライナーに無線を繋ぐ。 「こちらリーパー。今、帝国が建てただろうテントの中にいるんだが、こりゃすげえな……」 『何がある?』 「先ずは周辺の地図。丁寧に帝国の都市みたいな場所とここまでの道が書かれてる。それと、伏兵の位置とか分かる作戦内容と、あー……これは」  テントの中を物色しながらライナーへ報告する手が止まる。全くこれに関しては重要でもなんでもないのだが、異世界でもこういう輩はいるもんなんだなと。人間の愚かさを世界を超えて痛感する。   『どうした?』 「ぶっ殺された指揮官の密約書だ。えーっと。ハルデス・モルグリム少尉へ。アストリア国境砦制圧作戦に伴い、今作戦を成功したあかつきには、ハルデス少尉へ金貨1000枚の報酬を約束する。大元帥より。
影白/Leiren Storathijs
影白/Leiren Storathijs
実は26歳社会人です。 基本ライトノベル書きます。 異世界ファンタジー専門です。 執筆歴は10年以上です。