鳩
ある朝、いつものようにベランダに出たら、すみに木の枝が何本か落ちている。ベランダの近くに木はないし、こんなものが飛んでくるほどの強風がふいた覚えもない。はて。まとめてゴミ箱に突っ込んだ。
翌朝、ベランダに出ると、昨日と同じく木の枝が数本置かれていた。誰かの悪戯だろうか?まとめてゴミ箱に突っ込んだ。
さらに翌朝、また木の枝が数本ベランダに出現していた。これまでと違うのは、その上に鳩が一羽鎮座していることだ。
あ、これもしかして巣だった?雑すぎだろ?そう思ったら鳩が語りかけてきた。
(・・・どうして私たちの愛の巣をどけてしまうの?もう照れ屋なんだから)
こ、こいつ脳内に直接!!
(ほら、これ、あなたとの卵)
鳩がチラリと卵を見せてくる。最悪だ。
しかも潤んだ目で見上げるなあ!!!
(女の子かしら、男の子かしら。男の子なら、あなた似ね)
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カテゴリー: 恋愛・青春
投稿日時: 2022/2/12 2:56
霜月穂
暇つぶしに読んでいただけると嬉しいです。日記だったり思いついた話だったりを書いていきます