パンツが見える・井上章一・本の紹介

題名が「パンツが見える」でわかり易い。副題が「羞恥心の現代史」で少し難しい。因みに心理学とか脳とかは出てこない。パンツって言葉は「女性のアソコを包んでいる下着で和装の腰巻きは含まない」と定義しておく。羞恥心は「見える、覗いた、エッチ、変態」とかを伴って生ずる女性側の心根を表している。現代史なので1920辺り、和装から洋装の移行期に伴って生ずる女性側の心根を丹念に拾っている。方法は小説、新聞、雑誌、広告、専門家の意見などの「うんざりする程の引用・紹介」でこのレパートリーだけで十分お腹いっぱいって感じ。下・シモの話題について男性と女性の認識がよく分かる。このやり方でパンツ着用の歴史を一望しようとする本だと気がついたのは半ば過ぎた辺りだった。パンツの形態も手製、男子との兼用、贅沢さ、時代相の影響、生地の変化(昔は化繊がない)などで「パンツを覗かれる恥ずかしさ」が揺れ動いてきたのよく分かった。和装・腰巻き時代は当然「アソコが見えちゃった」現象は結構沢山あった筈で、階層にも寄るけど「仕方のない事だった」って感じは新知識で新鮮だった。延長線上に女の立ちションもあった訳で。 全編パンツ、ズロースが連発の本書は中々壮観。因みに昭和7年白木屋火事でパンツ着用が促進されたって話は著者によると「確認出来なかった」とのこと。この話は服飾史、女性史辺りにも関わってきそう。良書、奇書、そして大作。引用された作家を眺めているだけで楽しくなる。
ヨーイチ