歪。Ⅰ
無地のドレスに、じんわりと鮮やかな紅色が広がっていく。
色白の彼女によく似合う、少しだけイエローベースの白。「綺麗だ」と言っていたいつかの僕は、嘘だったのだろう。今の方がずっと綺麗だと思った。
何も出来なかった、というよりしようとしなかった僕は、ただ唖然と時が過ぎるのを待った。
真っ赤な葉が茂る頃、真っ黄色の葉が一枚だけ落ちてきた。ひらひらと落ちるそれを目で追っていると、母の肩に落ちる。母は気づく様子もないので、
「楓さん、」
と僕はよびかける。そうすれば
「どうしたの?和間さん」
と、母が嬉しそうに微笑んで振り向いた。そっと母の肩に触れ、落ち葉を落とした。
僕の名前は“和志”だ。
0
閲覧数: 46
文字数: 449
カテゴリー: その他
投稿日時: 2023/12/2 13:34
最終編集日時: 2023/12/2 13:35
満欠
みちかけ と読みます
誤字多い
基本書く専ですがたまに読んでます