塵は塵に 後編④ 最終話

腕が焼き焦げていく。日の光はみるみると私の方に近づき、そして体を砂状に侵食していく。そんな光景を見て、驚愕も恐怖も疑問も浮かず、ただ不思議と他人事のようにぼんやりと眺めていた。 −このまま私は死ぬのだろうか− そんな思考が巡る。もしそうなのであれば、むしろ大歓迎だった。 生まれた頃から狭い鳥籠に入れらたような、少しの身じろぎも出来ない窮屈な私の人生に今日ようやく終止符が打たれるのなら、それでも良いと思った。 たゆたう光はまるで波のようだった。どこまでも輝き、一向に消えず、私の体を抱いて浄化していく。肌に温もりを感じ、愉快な小気味良ささえ覚える。 もし輪廻転生というものが存在するのなら、私が一度死に、次に生まれ変わった時、私は一体何者になっているだろうか。 体が焼き切れるまでの僅かばかりな時間。呑気にも来世への期待を込め、詩人が詩を唄うが如く、愉快に笑い、朗らかに笑みを浮かべる。 既に体の大部分が砂と化し、足元には砂の粒が多く降り積もる。日の光に照らされた粒は白色に輝き、透明なベールがこの部屋全体に広がる。宙に舞う粒はもはや砂ほどの大粒ではなく、むしろ“塵”のようであると言い表した方が良いかもしれない。
高野豆腐
高野豆腐
優しくしてちょんまげ(○ٹ○) 小説とかノウハウ無しに感覚で書いてるから、 見るに耐えない可能性が微レ存。 未熟者なので、多目に見てやってくださるとありがたいです。<(_ _)> ちなみに更新おそおそ人間なので、どうかご承知を。 あとハートとかコメントをしてくれると嬉しすぎて月までぶっ飛んで、月面に星条旗の旗立てちゃうので気軽にドシドシください。          /⌒ヽ    ⊂二二二( ^ω^)二⊃         |    /       ブーン          ( ヽノ          ノ>ノ      三  レレ