可哀想な人ね

可哀想な人ね
もしも、輪廻転生があるのだとしたら。 私はまた、貴方の元に行きたいの。 別にお金持ちや、有名人。凄い人のものになりたい訳じゃない。 間抜けで、馬鹿で、お人好しな貴方の傍にいたいのよ。 私は小さな頃に捨てられたの。酷い話よね。滝みたいに土砂降りの雨の中よ?酷く寒かったのを、今でもよくよく覚えているわ。前の飼い主は無責任な人だったの。まだ子猫の私を捨てたの。 公園のベンチの下で、震えながら泣いていたの。涙で前が見えなかった。お腹はペコペコだし、不安で仕方がなかった。 「うわぁ、猫だ。」 貴方はそう言って、優しく私を抱き上げたわね。ボロボロの私を。 家に連れ帰って、まず何をしたか覚えているかしら。シャワーよ。 貴方、間違えて冷水かけたの、まだ忘れていないわよ。あの時、貴方を引っ掻いたかしら。ごめんなさいね。
まる
まる
学生です。 思いついたのを文章化しているので、内容は浅いです。 マイペースに投稿するつもりなので、よろしくお願いします!