朝日 プロローグ

 ここから見下ろす街は随分とちっぽけに見える。人間も、人生もここから見ればただの点だ。悩みも、心の闇も何も見えない。世界とはこの程度のものだったのか。自然と笑みが溢れる。  どのみち私はこの世界から消える。それがいつであろうと、何も変わらないはずだ。  空を見上げる。ぽつりぽつりと星が輝いていて夜の闇を照らしている。いつもは気にしない星々の輝きに見惚れてしまいそうになる。どうせもう長くない命だ。最後に星を眺めることぐらい許されるだろう。  右足を踏み出すと身体は大きく傾いた。
神月二千楓
学生です。黒歴史が大量発生すると思います。暖かく見守ってくれると嬉しいです。 サスペンスが書きたいのですが気力がなくて無理そうです。ペンネームは適当です。