木漏れ日のウィンク

木漏れ日のウィンク
白猫に出会った。 帰りのチャイムがなるなり誰もが教室を出ていき、あっという間に私は一人になった。誰も居ない教室でゆっくりと窓の外を眺めるこの時間が好きだった。 秋にもなり、風が心地よい程度に私の頬を突き刺す。それさえも気持ちよく感じ、目を閉じた。 そして目を開けた時、彼女が現れた。 模様一つない真っ白い体に大きな丸い瞳は、私に向けてウィンクした。その瞬間、世界中の色が消えた。 「何っ! どうなっているの!」 突然色が消え、困惑する私を彼女は変わらぬ様子で見つめる。その顔は少し笑っているようにも見えた。 「南雲もも、今日から貴方が世界のパレット。もも、世界に色をつけて」
きのこ
きのこ
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