その猫妖怪と時を越えて
湿気で気だるい空気が肌を纏う。節電だなんだって高めの温度に設定されたクーラーをつけても暑苦しい風が出てくるだけだ。
そんな自室にこもって、ベットにだらしなく寝転びながら本を読む。それが彼女の高校生最後の夏休みになっても譲れない、夏の定番の過ごし方だった。
「はあ、推しに会いたいなあ」
本を熱心に読んでいた彼女が切ない声で呟いた。
その本はいつも呼んでいる最新のアイドルの写真集…などではない。古びて破けて、少しカビ臭い何かの書。
彼女のいう推しは現代のアイドルではなく。
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カテゴリー: ファンタジー
投稿日時: 2024/6/29 1:45
橙花
気が向いたときに。
アイコン→ノーコピーライトガール様