第5回N1 memorys of empire

彼女はあから始まる苗字を嫌がっていた。 何でもかんでも最初にやらされるのが我慢ならない、と。 ペンネームが「ワタリドリ」だと聞いて、 冗談半分だと思っていたそれが割と本気だったことが判明。 五十音順に並んだ棚を、しゃがんで下から一つずつ指を滑らせる。 姉から、彼女の小説が出版されたと聞いたのは随分と前だったが、 久々の再会が小説の中なのはちょっと嫌だと思って、読むのを後回しにしていた。 しかし今朝、まだ読んでいないのか、姪っ子の小説を読みたくないのかと怒りの電話があったので、今買って、実家へ向かう新幹線の中で読むことにする。
有陽 へいか
有陽 へいか
こんにちは 有陽(ありひ)と読みます 高一です 絵が好きです