硝子を口に含む 4
「何処かに連れてって」
「滅茶苦茶な要望だな」
濡れた髪もそのままに寧々は扇風機に向かって「このままじゃ暇だー」なんて、脅しにもならないような言葉を発する。
身体が弱いことを忘れたような行動をとる所が彼女の悪い癖。
私はドライヤーを持ってくると「熱い」などという文句をねじ伏せて寧々の髪を乾かし始めた。
気持ちよさそうに目を閉じる様子は隣のビルでよく昼寝をしているあの猫の姿と重なる。
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カテゴリー: 恋愛・青春
投稿日時: 2025/2/21 5:36
べっこう飴
甘いものと二度寝と金曜日の夜が大好きです🫧通勤中に読めるような短編ものを書こうかなって取ってます!!