Young Adult
「囚人番号1724番、出獄。」
冷たい声と靴音が、石造りの廊下に響く。
鏡に映った自分は、ただの「抜け殻」だった。
高校を卒業することもなく、大学も失敗して、担任教師を刺して、刑務所に入った。
行くあてなんてどこにもない。ネグレクトだった両親は離婚して、それぞれ別の家庭を築き、「礼子なんて人は知らない」と言い張っていた。
私は、ただ一人の「余り物」だった。
私は本当に、何も持っていない。
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カテゴリー: その他
投稿日時: 2025/10/7 2:05
注意: この小説には性的または暴力的な表現が含まれています
かつらな
現役女子高生、17歳。
かすかな痛みと夢の残り香を言葉に変えて、生きている証を綴る。