ある魔法使いの日記

ある魔法使いの日記
今日はこの日記をつけ始めて421年と102日目。 今日は私の人生の中でも不思議な体験をした。 昔、薬の実験で生まれた不老薬を飲んだ私は、不死ではないが不老の存在になった。 けど、人というものは異常な存在を消そうとしたがる生き物だ。 だから私はできるだけ誰にも悟られないように、山の奥でひっそりと暮らしてきた。 今日もいつも通り畑の手入れをして、飼っている動物達に餌を与えて。 いつもならこの後、地下に作った書庫で本を読むのだが、今日は気分を変えて、山を散歩してみることにした。 山頂まで箒を飛ばし、山の一番上にある木の上で、夕陽がゆっくりと沈んでいくのを、ただただ見つめていた。 完全に沈んだ頃、そろそろ帰ろうか。そう思った時だった。
夜鷹
夜鷹
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