わからない言葉に美しさを

わからない言葉に美しさを
知らない。  何を言ってるのかも、何を語っているのかも。  けど、それが素晴らしいことを歌ってることだけはなんとなくわかる。  少し嗄れていて、けれど、どこか透き通っていて。  彼の声は、訴えていて、嘆いていて、鼓舞していて、慰労している。  言葉は知らない。  英語だもの。僕は英語が苦手だ。中学2年の夏くらいに挫折にしてそこで英語の知識止まっている。だから、僕には動詞や形容詞や主語そんな初歩中の初歩のことしかわからない。  だから彼の声はまるで耳のそばで鳴ってるようにしか感じない。  それでも彼の言葉は素晴らしいのだろう。  涙を流して、ヒクヒクと体を震わす物なのだろう。
ばぶちゃん
ばぶちゃん
基本連載 時々短編 文章虚偽祭り ナポリ湾 少なめ健三郎 自然薯