龍を背負う女

龍を背負う女
 十八歳の冬、赤く染まったピアッサーをゴミ箱に投げ捨て、彼の忘れて行ったセブンスターに火をつけた。  一人で過ごす真夜中の三時。痩せた私の身体だけだと、このセミダブルはいつもより広く見える。  学校にも行かずに、目的も無くダラダラと過ごす毎日。十も違う年上の彼氏ができて、二人で遠くに行こうだなんて。  行き着いた夢の先は、木造二階建てのボロアパートと借金。  ホストをしている私の彼氏は明け方しか帰って来ない。彼から漂うお酒の匂いと纏わり付く女物の香水の匂いが、私はすごく嫌いだった。彼の手の温もりなんて、私を何度も殴る内にとうに冷めてしまったみたい。だけど、無力な私にはそれを否定する権利は無い。  生きているんじゃなくて、彼に生かされているのだから。
猫 夢丸
猫 夢丸
初めまして、夢丸と申します。小説初心者の二十代半ばの社会人ですが、空いた時間にチクチク見たり書いたり。宜しくお願い致します。