霧の向こうの36時間

2025年10月。 東京湾に浮かぶ小さな離島「霧ヶ島」は、秋になると霧が濃くなり、携帯の電波がほぼ途絶える。 島民は128人。観光客もほとんどいなくなる季節だ。 島の最南端に、築100年を超える洋館「霧の館」がぽつんと建っている。 館の主は、元ベストセラー作家・黒澤悠真、52歳。 20年前に『霧の向こうの36時間』という小説で一世を風靡したが、その後は一切の執筆を停止。 島に引きこもり、誰とも会わず、庭の枯れ草を眺めるだけの生活を送っていた。 そんな黒澤が、2025年10月15日、突然6人に招待状を送った。 「10月17日正午、霧の館に来てほしい。 理由は到着後に話す。
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