守護の拳

守護の拳
3話 拳の理由 ――風が止まる。 蓮の影が、ふっと揺らいだかと思うと、 次の瞬間にはもう、石山の懐に踏み込んでいた。 パシッ!ドン、ドッ――! 鈍い衝撃音が夜気を裂く。 蓮は少林寺拳法の目打ち(めうち)で相手の視界を奪い、
鴉羽大地
鴉羽大地
昨年から少しずつ書き進めている小説のテーマは「武道」です。私がこれまでに学び、経験してきた少林寺拳法や武道の哲学を物語に込めています。主人公が己を磨きながら困難を乗り越える姿を描く中で、「力」と「正義」のバランスや、人とのつながりの大切さといった普遍的なテーマに挑んでいます。