汚い極彩色

延々と続く山々は深緑の衣を纏い、遠くから眺めるとなお広大に広がり、大地に深く腰を下ろしている。 流れる川の水は、夕暮れには沈みかけの太陽の光を目いっぱいに反射して橙色に輝いて絶えず波打っている。 暖炉で燃え盛る火はジリジリと熱気を帯びて、紅緋色に影のようにゆらゆらと揺れて、周りをそっと照らしている。 僕の父はそう口にして、目に見える周りの景色を僕に伝えるのだ。 だが、僕には分からない。深緑の山々が、橙色の川が、紅緋の火が、一体どんな色をしているのか。 父さんは僕が色盲だと知って、代わりに色のついた景色がいかに美しいかをよく教えたがる。僕の目には“本来の色”は見えないから、それを可哀想に思っている。 だけれど、僕はそれでもいいと思っている。皆と違う景色を見ても、苦しいだなんて思ったことはない。ただ、少し不便なことがあるだけで、大きな問題なんかない。 僕はよく部屋に籠って絵画を描く。 小さい頃からの習慣だ。特に絵の具を使う工程の時は気分が上がる。自分の目にしか映らない色彩の微細な差異を、その琴線をそっと触れて表現するのが何よりも大好きだった。
高野豆腐
高野豆腐
優しくしてちょんまげ(○ٹ○) 小説とかノウハウ無しに感覚で書いてるから、 見るに耐えない可能性が微レ存。 未熟者なので、多目に見てやってくださるとありがたいです。<(_ _)> ちなみに更新おそおそ人間なので、どうかご承知を。 あとハートとかコメントをしてくれると嬉しすぎて月までぶっ飛んで、月面に星条旗の旗立てちゃうので気軽にドシドシください。          /⌒ヽ    ⊂二二二( ^ω^)二⊃         |    /       ブーン          ( ヽノ          ノ>ノ      三  レレ