面会室は行方を知らず

刑務所で働く天使は面会室の椅子に腰掛けた。 「お久しぶりです。」 と話しかける。その目線と透明な板の先にはやつれていながらも昔と変わらない、柊の葉のような静かで凛とした美しさを持ちながら、春の木漏れ日のような柔らかい雰囲気を醸し出している悪魔がいた。悪魔は首を傾げていたが、しばらくたってから目を見開いて 「もしかして、君はあのときの…!」 と驚いた様子を見せた。 13年前、彼は天使誘拐事件の犯人として捕まった。彼は終身刑を言い渡され、この刑務所で過ごしている。 「あの後大丈夫だった?」 「はい、とりあえず母親からは逃げられました。」 やっぱり悪魔らしくない。この悪魔はまだ私の心配なんかをしている。 「それならよかった…!君も苦労したね。天使の母親が虐待なんて…」
止明\しめい
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