ハム

 夕飯のハムに、目が止まった。豚、か。  僕は以前、牧場で豚を飼っていた。可愛い、可愛い僕の豚。名をぽんずという。そんな豚も去年、付けていた縄で誤って首を絞めて死んでしまった。ああ、そのとき、僕は何度涙しただろう。ぽんずへの弔いの意味を込めて、僕は彼女を料理にした。彼女を取り込む中で、ひとつ思うことがあった。彼女は食べられて、本当に嬉しかったのだろうか。食べようが食べまいが彼女にとっては同じ、死だ。食べられて嬉しい、は人間の都合なのかもしれない。そう思い、僕はハムを箸で挟んだ。  いただきます。
除草機1号
除草機1号
基本超短編を書きます。ストーリーは何となく決めます。新参者ですがどうかよろしくお願いします。