怒りの向こう側

怒りの向こう側
 俺の恋人を奪ったやつはこう言った。 「金にだらしないあの女が悪いんだ。じゃなかったら殺さなかった」  全ての罪を彼女に擦り付け、自分は逃げようと言うのだろうか。  やつの裁判も全て傍聴した。しかし、やつが謝罪の言葉を述べることはなかった。  判決は禁固十年――人の命を奪っておいて、納得できる刑罰ではない。  殺意には死を。今でも俺はやつの極刑を望んでいる。  雨の降る夕方にビニール傘をさし、一人でコンビニに向かう。雨音も、しっとりと濡れる靴も、あの日のことを思い出させる。  コンビニの前で、ある男性とすれ違った。髪型も違うし、髪色も明るい。だが、彼の纏う雰囲気が少しだけやつに似ていた。一瞬にして怒りが沸き起こる。
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文字数: 584
カテゴリー: その他
投稿日時: 2026/7/14 9:11
最終編集日時: 2026/7/22 6:39
注意: この小説には性的または暴力的な表現が含まれています
七宮叶歌
七宮叶歌
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