適応

遠くでバスが通っている。 目の前に車が走った。 目を閉じれば、外の情景ははっきりと目に浮かぶ。 暖かい毛布に身を落として、空を気ままに飛ぶようになってから、どれほど経っただろうか。 初めは海を越え山を越え見たこともない景色をみて感動したこともあった。 時にはその風を感じて、頬を涙が伝うことを知った。 ただ、もう見尽くしてしまったから、近頃は暇だ。 意識を凝らさなければ分からない程の風がくるくると身体を撫でる。
ぽんとりんご
ぽんとりんご
投稿も内容も不定期です