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 現在のある日、二一XX年ーー  その夜、ハルキとルカは買い物に出掛けていた。外は相変わらずしどけない植物や建築物の鬱蒼と群生する世界と化しており、夜の街となれば、日中朝昼よりもそれを強調して形造っているかのように見えさす光景を生み出しているのだった。  二人のやって来ているこのスーパーマーケットはそこまで広い店ではないが、街の数少ない食品売り場の一つということに至っており、品揃えは申し分ない位に豊富だった。生鮮コーナーには、野菜や鮮魚類や生肉類が用意し陳列されている。調理済みの惣菜売り場や、店舗内で焼き上げられたパンのベーカリースペース、その他日用品や菓子売り場、ちょっとした雑貨コーナーも存在した。そんなマーケットの店内を、買い物籠を載せたショッピングカートを押しやり動かしながら、ハルキは今晩の二人の献立を決めるべく後ろに従い付くルカと商品達に視線を目配りながら、歩き回っていた。 「ルカは今夜は何食べたい?」  そのハルキの言葉に、ルカは、うーん、とでも悩み込むように首を横に傾げた。まるで、毎日食べる物なんて、いちいち考えたり気にしていられない、なんて思ってさえいるようだった。それはハルキにも薄々伝わっていて、彼はそうだなー、とカートを目的の宛もなく先へと移動させていく。 「そうだ、最近魚とか食べてないから、焼き魚にする?」  鮮魚コーナーで立ち止まり、ハルキはルカに聞く。ルカは特に却下することもなく、こくりと小さく頷いた。そして二人で、砕かれた氷の張った発泡スチロールの箱に陳列されている数多の鮮魚達に目を向けた。いらっしゃいませー、という店内の従業員の声に混じり、「いらっしゃい!今日もいい魚が入ってるよ」と威勢のいい挨拶で加工場から姿を現した店員に、すみません、と春樹は声を掛ける。鉢巻と、防水の作業用繋ぎを着ている男だった。 「あの、今日は何の魚がいいですか?」 「兄ちゃん達、今晩は魚かい?そりゃいいこったねえ」
阿部野ケイスケ
阿部野ケイスケ
小説はジャンル問わず好きです。趣味は雑多系の猫好きリリッカー(=・ω・`)