第七十三話
望月は、絶句した。海野は木刀を持ち始めてからたった三日しか経っていないというのに、木刀を真っ直ぐ振ることはもちろん、バッチリ扱い方をマスターしていたのだ。
「ずっと本ばっかり読んでたから、頭に型とか全部入ってるんだぁ。」
眠たそうに言っているが、型を知ってるからと言ってそう簡単に実行はできまい。そもそも、海野は目が見えていないのだ。にも関わらず、足の踏ん張り、腰の落とし方、胴の向きなど、全てが完璧だった。海野には、刀の才能があったのだ。
「そろそろ、対人戦をしても良いでござるな。」
海野が来てから二週間が経った頃、少し前から真田の屋敷に住み始めた小助が提案する。小助は少しずつ海野に受け身についてを教えていた。この提案をするということは、要するに望月と海野が模擬戦をするということだ。望月は少し複雑な心境であったが、それを抑えた。
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カテゴリー: その他
投稿日時: 2025/3/1 3:16
注意: この小説には性的または暴力的な表現が含まれています
澄永 匂(すみながにおい)
連載中の作品は、金、土曜日辺りに更新予定です。
大学生&素人なので文章がぎこちないですが温かく見守ってください。
中学生の頃に作っていた話(元漫画予定だったもの)を書けたらいいなと思い、始めました。