狭い世界で

 私は小学生の頃から小説を書いていた。それをネットに投稿したいと言うと、親はこう言った。 「ネットは小学生には早い」  中学生の頃、私は小説の読者を欲していた。学校のクラスメイトたちは私のことを非常に嫌っている者、或いは全く関心を持たない者が大半で、とても読んでもらえる状態ではなかった。私は小説をネットに投稿したいと言った。親は言った。 「読まれないほうが、狭い世界で満足している方がお前は幸せだ」  ちなみにこれ、実話である。
古井論理