メモリ
彼との思い出を聞かれると、何を話せばいいのかよく分からない。案外、彼は幼い頃から私のそばにいた。それに気付かずに、彼と野原を駆け回って遊んでいたこと。その時に私が盛大に転けてしまった時、彼はすぐに駆け寄るなり少し苦笑いをした。
「何やってんだよ。ほら、乗れよ」
しかし、彼は私をおんぶして手当をしてくれた。でも、これが恋に繋がったかは分からない。この時はまだ、近くに住んでいた歳が近い男の子という情報だけだったのだから。
月日が流れるにつれて、私も彼も大人びていった。私は、小学生でこの街を離れた。あの時はまだ年長だった。
「元気にしてるのかな」
何故か私は、あの時の少年に思いを馳せていた。車に揺られ、車窓から見える景色が変わって行く間も。懐かしい街並みが見えてくる。また私はあの街へと帰ってきたのだ。と、実感した。
「長旅で疲れたでしょ。自分の荷物持って上がって、ゆっくりしてなさい」
母の言葉に甘え、自分の荷物を部屋に持って行った後、どうしようか悩んでいた。
──あの野原に行けば、会えるかもしれない。
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カテゴリー: お題
投稿日時: 2026/3/16 5:19
最終編集日時: 2026/3/16 12:36
山芋とろろ
短編作者。恋愛物を書きます。
私の作品が皆様の癒しになりますように。
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