12/28『バランスのいい食事を、と彼が言う。』
仕事帰りにスーパーへ寄った。夕飯を買うのだ。
今日は疲れてて面倒だけど頑張ったご褒美欲しいから、好物の明太子と白飯にしようかなぁ。それともイクラ? いや、高価(たか)いな……と鮮魚コーナー付近を物色していたら頭の中で声がした。
(身体に悪いよ。ちゃんと他のも食べて?)
ヤマザキさんだ。
私の命が危険に晒されたとき、助けてくれた人。だいぶ前に亡くなっていて、いまは天界で人を助ける仕事をしているらしい。
私の魂と身体の間にできたらしい隙間がなくなるまで、私を守るために毎日来てくれている。
(うーん、今日あんまり食欲ないんですよね……)
(野菜とかは? 食べられそう?)
(野菜かぁ……)
応答しながら自分のお腹をさする。ちょっと冷え気味だから冷たいものはあんまり、という感じ。
0
閲覧数: 9
文字数: 1999
カテゴリー: ファンタジー
投稿日時: 2023/12/28 11:00
小海音かなた
ご来訪ありがとうございます。
小海音かなた(コミネ カナタ)は見習い小説家。プロになるために小説を公開したりコンテストへ応募したりしています。
※当アカウントに掲載されているすべての小説・物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。
※無断転載・複製・複写・インターネット上への掲載(SNS・ネットオークション・フリマアプリ含む)は禁止です。