四十九の告白

 僕は彼女に恋をした。色を失い灰色にくすんでしまった僕の世界に現れた微かな色彩を持った彼女。そんな彼女に僕は当然のように恋をした。  僕は今日彼女に四十九度目の告白をしようと思う。とは言っても、これまでの四十八回の告白はタイミングを逃して一度も彼女に伝えられたことはないのだが。  僕が勇気をだして告白しようとした時に限っていつも彼女が急な予定が入ったと言って居なくなったり、別の話を始めたりしてタイミングを逃してしまっていた。  今日は四十九度目の告白予定日。  僕が待ち合わせの場所に行くと彼女はもう既にそこで僕を待っていた。彼女は昨日よりもさらに、始めて出会った四十八日前とは比べ物にならないほど鮮やかな色彩を持っていた。 「ごめん、待たせた」
れてぃ
れてぃ