真夏の夢

太陽はいつもよりジリジリと光を発している。 恵は幼馴染の宗一郎と帰る約束をしていた。 校庭の屋根の下でベンチがある場所がいつもの待ち合わせ場所だ。 15才の私たちには付き合うとも付き合わないともどちらからもいい出さず自然の成り行きでいつも一緒に帰っていた。 そんな宗一郎が珍しく誘ってきた。 「今日は今から暇?」別に予定のない恵は「いいけど」と言うと近くに置いてある自転車に乗った。夏の風も手伝って15才のいわゆる男の香りがした。 閑静な住宅街を抜けると宗一郎の自宅に着いた。「あがって」宗一郎は続けざまに「何か飲む?」と言ってきた。「コークハイ」恵は気軽な気持ちで言った。
テディベア
テディベア
詩を長年書いてます。詩では銀色夏生さん。小説では江國香織さんが好きです。あまり固苦しくなく、気軽に読めるものが好きです。