桜が咲かない春(2)
振り返ると、茶髪でボブの背が低い女子だった。
「んっと、ごめんだれ?」申し訳なさそうにパチンッと手を合わせてゆうせいが聞く。「私|岩崎陽菜《いわさきひな》だよ」「あ、え!まじか!|若小《わかしょう》の?!久しぶり!」名前を聞いて、すぐにピンと来たのかゆうせいに、彼女は小学校が同じで、途中で転校してしまった、元クラスメイトだと紹介された。
それを聞いて俺は、岩崎さん、小学校の時のクラスメイト後ろ姿だけでよくわかったな。と思ったけど、女子と話すの苦手だったから、ゆうせいが俺の名前紹介してくれたので、「よろしく」とだけ話した。
結局3人で教室向かい、入ると、まだ生徒は半分来てるか来てないかくらいだった。そして黒板にはられた座席表を見て名前を探す。「あ!俺窓側だ!」ゆうせいは自分の名前のところを指さして言った。
『湯浅 夕聖』こういう漢字で書くのか。いい名前だななんて思いながら自分の名前を探していると、俺より先に夕聖が見つけ、俺の隣だと教えてくれた。
俺の席は窓側の1番後ろで、右隣はゆうせいだった。
前はさっきの…岩崎さん。
「えめっちゃラッキーじゃん俺ら!さっき話したばっかで席近いとか!」夕聖はでかい声でそう言った。
「声でけぇ」俺は笑いながら口の前に指を立ててそういうと、夕聖はわりぃと静かに席に座った。既にその夕聖の行動に周りはくすくすと笑っている。その状況からして、夕聖は多分人気者ポジションのやつなんだろうな、と思っていると、岩崎さんの隣に黒髪ロングの女子が座った。
班活動をするなら4人だろうか、だとしたらこの女子と岩崎さんと夕聖と、俺の4人になるな。声かけてみるか。
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カテゴリー: その他
投稿日時: 2023/3/12 16:43
最終編集日時: 2023/3/12 16:44
にこ
『桜が咲かない春』
自分のペースで少しずつ書いていきます。何度も消したり書き直したりしていくと思います。