タイトルと書き出しだけの小説:第33回「ウタうカレはウタカタに消えた」
私の彼氏、バンドウヤマトはバンドでボーカルをやっていて、どこか不思議な人だった。
どれぐらい不思議かというと、唐突に
「カナエは今度から俺の前で二度とひとりごとを言わない。なぜなら、カナエのひとりごとに俺は必ず相槌を打ってひとりごとを全て『会話』にするから」と言ってきたりするぐらいだ。
1ヶ月ぐらい連絡が取れなくなることはざらで
その度に「私とバンドどっちが大事なの?」というありきたりな言葉を飲み込んだものだった。
一度だけ「何がそんなに忙しいの?」という、私なりの婉曲的表現で聞いたことがある。
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カテゴリー: その他
投稿日時: 2023/5/20 12:37
マーティ・マクフライ
僕は、小説のタイトルと書き出ししか書けない