試験
これって何の試験なんだっけ、と夢の中の自分が考える。
夢だって気付いても、焦燥感だけは本物で、気持ちは少しも楽にならない。湿った手のひらの感触も、口の中の渇きも、鮮明に思い出せる。
失敗したくないと強く思う。
結果はどうなったんだっけ。
独りの部屋で目が覚めた。望んでなかった未来の先にも世界は続いていて、何も終わってはくれない。そんな当たり前をいつか受け入れられたら、もう昔の夢を見なくなるだろうか。
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カテゴリー: お題
投稿日時: 2022/1/17 11:36
いずさや
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好きな作家:桜庭一樹、星新一、伊坂幸太郎、滝本竜彦
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