砂時計

砂時計
 時間が無い、もう後が無いと思っていた。足がすくんで動けないままでいる私を置き去りして、砂は落ちていく。  足りない、間に合わない。  カタン、と砂時計が倒れて、天地が分からなくなった。ふと悪戯心が働いて、砂の多い方を上にした。  なんだ、こんなことで。  肩が軽くなった。
いずさや
いずさや
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