星に捧ぐ小話

いつの間にか忘れていたが、僕には、星を一緒に眺めるともだちがいた。 呑気に立ち上がって、空を見て。どうにもまばらな星の中で、視線は確かに一つのものをみていた。夜というのは大抵の場合涼しいから、僕らは苦心することなく、幸せな十二分間を過ごす。それがほとんど毎晩行われた。 ある春の日は、涼しいというよりは寒かったから、暖かく、分厚くして、並んで星を見上げた。ともだちという人の手袋が暖かいから、手を繋いだりもした。吐く息だけやたらと白くて、それでも、流れる星の数々を前にして、僕らは確かに時間を献上した。 ある夏の日は、寒さが恋しくなるほど暑かったから、薄着をして背を並べた。水筒の氷を固く噛みながら、肩を並べた。桃色のワンピースに、麦わら帽子が可憐だった。季節によって、順々に姿を変えていく。確か、ヴィヴァルディの四季を習ったのもこのくらいのときだから、そう思ったのだと思う。まん丸だった横顔が、しっかりと形を帯びていく。髪も伸びた。星を見上げる。眼前に星が落ちてくる。浸透して、僕らは目をつむる。
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面白い物を読ませてくれる人が好きです。 noteにもいます。 11.4 ~