不変的なイデー
『貴方は確信を持って“生きている”と言えますか?』
生きているって、なんだろう。
人生は波瀾万丈だと言うけれど、全くその通りで、二十年も生きていない私でさえ、その起伏を感じる。
時折、いついつに戻りたいという声を聞く。やり直したい事があるとか、一番気楽だったとか。だが、当時の自分は今の自分の年頃に憧れていた筈だ。登校班で歩く道中に中学生を見かけるとアニメのようだと興奮し、高校生はもはや大人で、六年生さえ遠い未来な気がするくらい。そのくらい、時はゆっくりと流れて、それなのに早く大人になる事を望んでいた。
だがどうだろう。今の私達は、後悔に後悔を重ね、やり直したいと嘆き、あまりにも早すぎる時の流れに“死”の背中を見て怯える日々だ。考えてみれば、こんな筈ではなかったという言葉は、すんなり現れる。ではどんな筈だったのかと、聞かれても何も浮かんで気やしないが、少なくとも今より輝いていた事は確かである。
今私は、あの時憧れていた私になれているのだろうか。小さな彼らの瞳に、私はどう映っているのだろうか。案外、映ってすらいないのかもしれない。だって、今が充実しているなら、何も羨む事はないのだから。歩いている他人を見ている暇なんてないのだから。
ある日、無機質で無駄に広い部屋で、たった一つの椅子に掛けたナニカが私に問うた。
『貴方は、確信を持って“生きている”と言えますか?』
彼が何者か、それは言い表しようのない存在であったと明言できる。そうとしか言えない。だが、確かに存在はしていた。声は、心地よい低音で耳に優しいのに、一々違和感を感じさせる。落ち着いた男性の声だったから、彼と呼ぶのだ。コイツはいきなり何を言い出すんだと、私は思った。数ヶ月前から、毎日届いたメッセージカード。初めの頃は、今時アナログな人だと思っていたが、その内容は明らかに異質だった。読めない文字の羅列の中で、なぜか読める単語。最初は気味悪がって捨てていたが、一抹の好奇心が逸らしていた目をカードに合わせた。本来あるはずのない形を成す文字。ありそうでないのに、無いと分かるのに、何故か理解できる。それを声に出した。今はもう、それがどんな音だったか思い出せない。この世の言葉だったかすら、怪しいのだ。その言葉を発した時、気づけばここにへたり込んでいた。
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カテゴリー: 日記・エッセー
投稿日時: 2025/12/1 8:37
最終編集日時: 2025/12/1 8:44
あいびぃ
自己紹介カード 発動!!!
【レベル】15
【属性】ちゅー学生
【習性】投稿頻度不安定、定期的に更新不可になる、フォローもフォロバも気分次第、❤︎とコメントくれる人を好む、困ったら募集に参加
【特性】どんな作品にもファンタジーが香る
【メッセージ】
初めまして、あいびぃです!
見つけてくれてありがとう♪
私自身、生粋のアニオタ・漫画オタなのでファンタジーが多めになってます…多分。
詳しいことは「自己紹介」にて!
まだまだ若輩者なので、応援よろしくお願いします!