夜の学校

夜の学校
僕は妖霊退師について話を聞こうとしていた。僕が返事をすると、なんと金次郎の後ろになんか大きなテレビみたいなのが出てきた。そのテレビみたいなのは、若干紫色に光っている。[よし、まずは妖霊退師についてだ。いいかな?妖霊退師っていうのはね、例えると霊媒師みたいなものだ。だが、霊媒師とは二つ違う部分があってね。それは、祓った妖怪、幽霊の魂を封印するんだ。][なんで封印するの?][それには理由があるんだ。理由はね、妖霊退師ってのは、妖怪や幽霊の力を使って祓うんだ。][え、なんで力を借りるの?別になんかトレーニングして、力を身につけて祓うとかじゃないの?]僕は疑問に思った。なんで力なんて借りるんだ?そんなことを思っていると金次郎が喋り始めた。[ちょっと残念かもしれないけどね。人間では祓うための力を身につける事が出来ないんだ。だから妖力や幽霊の力を借りるってわけ。]なんかがっかりした。自分で力を身につけて漫画みたいなあの感じを味わおうと思ってたのに…[でも、力を借りようと思ったらね。妖怪や幽霊と仲良くならないと、力を借りれないんだ。妖怪や幽霊と魂を一つにして初めて、力が生まれるってわけ。]そうか。向いてないかもな。こんなことを思っていると意外な答えが返ってきた。[君は、仲良くする才能があるんだよ。][え?僕ただでさえ人間同士とも友達以外とじゃ仲良くしにくいのに、妖怪や幽霊となんて仲良くできるわけないじゃん!僕は陰キャだよ?できると思う?]僕は期待に応える事ができないと思った。[そうかな?僕は人間じゃない。妖怪だ。妖怪にも関わらず、君と僕は今すごく仲良く話しているじゃないか。]僕は確かにと思った。[君はね、最初からできないと思うからできないと思うからダメなんだ。実際僕と君が出会ったのはついさっきだ。でも仲良くしてるだろ?君はできるんだよ。]すごく嬉しい気分になった。[いいかい?話を戻すよ?妖怪と幽霊の力を借りるのに封印してどうするの?と思ったろ。]僕ははっとした。確かにそうだ。借りるのに封印したら借りれないじゃないか![意味ないじゃん。封印したら!][そこで違うところ二つ目だ。祓うだろ?祓った後にね、封印する妖怪や幽霊は人魂になる。だが祓っても人魂にならない時がある。ならないやつが君の仲間になるんだ。その仲間になったやつの力を借りるってわけ。]納得した。そして思った。祓えるか?俺。[二つ違うことを説明したから次行くぞ!次はここはどこかって事だ。ここは僕の領域だ。僕の場合は鏡の世界。他の妖怪にも領域があるんだ。妖怪を祓う時、領域の中に妖霊退師を引き込む。そのために領域を広くしなければならない。そのために広くするための力を貯めながら戦うんだ。だが、力が貯まって領域を広げられたとき、その祓う妖怪の力は二倍になる。そうなったら君は終わりだ。]ぞっとした。それに終わるってなんだよ!どうなるんだよ俺![どうなるの?広げられたら。]僕は質問した。[相手の領域に引き込まれたら、負ける確率が高くなる。負けなければいいんだけど…][いいんだけど?][負けると、呪い殺される。]は?え、今なんて言った?[呪い殺される…?ほんとに?嫌だよ僕。まだ生きたいもん!][じゃあ、勝て。呪い殺されたくなければ勝て!祓え!いいか?妖怪や幽霊はお前が望むような行動はしてくれないぞ!それでも君は祓わないといけないんだ。]そうか。祓わないといけないのか。ん?祓う…?僕はまだやるとなんて一言も…僕は思った。これ、やらされるよな。[はい!次は三つの力についてだ。力は『妖力』『霊力』『念力』この三つだ。]僕は気づいていた。なんか早口になってきている![妖力は妖怪が使う力だ。霊力は幽霊が使う力だ。念力は、物に宿る力だ。物に宿る力は、貯まりすぎると呪いになる。呪いになったら祓いにくくなるから気をつけるように!]三つの力は分かったが、やっぱり早口だ。何かおかしい。[よし、説明は終わりだ。もう時間も遅い。早く帰って寝て、また10時にここに来てくれ。]おいっ!おかしいだろ。俺はまだやるとは言ってないぞ?[ねぇ、金次郎。僕まだ妖霊退師になるなんて一言を言ってないよ?なんで『やる前提』で話を進めるんだ?]俺は言った。言ってやった。俺は呪い殺されたくないし、仲良くはできても祓えるかどうかも分からない。もし祓えなくて、呪い殺されたら僕の人生台無しだ!ならないぞ。[僕はやらない。呪い殺されたくないし…]僕はやらないと言った。だが返ってきた言葉は僕を地獄のどん底に叩き起こすような言葉だった。[ん?何を言ってるんだ。この話を聞いたからにはやらないといけないぞ?]は?おいおい。おかしいよ!なんで…僕、殺されたくないよ!僕は目から涙が出た。ボロボロ出てきた。やりたくもないのにやらされるし、殺されるかもしれないような事やりたくないよ誰だって![明日、10時にここに来なさい。また話をしよう。]そう言っている金次郎の顔は、笑っていた。[君の家には私が送るよ。こんなことをした身だからね。まぁ、寝たら気持ちも変わるよ。]と言うと僕の目の前にバッ!と現れると僕の額に衝撃が走った。デコピンをされた。だが、デコピンで僕は気絶した。 気がつくと僕はベットの上で寝ていた。時間は6時55分、普通の朝だ。僕はいつものように過ごし、学校に行った。誰がやるかと思いながら。僕の心は紅色に光りながら…… 第五話 『妖霊退師 その2』
Amaterasu
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