砂糖に浸かる

砂糖に浸かる
互いの傷に砂糖を塗り込むような関係を築いてきた。 靴擦れの起こした足をハイヒールに突っ込んで、そっとマンションの扉を開ける。 早朝の静けさに、僅かに私の罪悪感が漂っていた。 「…ボディソープ無くなってたことくらい言っとけばよかったかな」 改札を潜る前、壁にはられた石鹸の広告を見てそういえばと思い出す。 でももう彼とはインスタもLINEも繋がっていない。言う術は持ち合わせていなかった。
べっこう飴
べっこう飴
甘いものと二度寝と金曜日の夜が大好きです🫧通勤中に読めるような短編ものを書こうかなって取ってます!!