1話

1話
「お前には人の心が無いのか」  よく覚えている。昔、父に言われた言葉だ。  真っ黒なセーラー服に身を包み、母の葬儀に参列していた時に父にそう言われた。父は涙で顔をぐしゃぐしゃにして私を睨んでいた。  仕方ないじゃないか。だって私は生きてるし、どこも痛くないんだから。
飛鳥
飛鳥
気づいたら百合小説書いてる人