第十七章 来訪狐 第七十五話
「っ寒!」
下町を見廻り中の鎌之介が身震いする。春になったものの、未だに風は冷たく吹きつける。甚八の左腕にしがみつく鎌之介。
「お〜い、くっつくなよめんどくせぇ。小助にしとけよ。」
「む、拙者の右腕も貸してやろう。」
「え、いや、いいわ。」
鎌之介は、小助に姫抱きされて以降、小助が少々苦手であった。苦手と言うよりも、恥ずかしいだけのようだが。
三人が屋敷へ帰ってくると、一同は庭に出ていた。珍しく、幸村も一緒に。幸村の左右には海野、望月が座っている。どうやら、それぞれで模擬戦をしているようだった。佐助と十蔵、宝香と清海、伊佐と心愛、という組み合わせだ。鎌之介も混ざろうと、早速才蔵に喧嘩をふっかけに向かう。と、何かに気がついた小助がこそっと沙恵の元へ近付いた。
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カテゴリー: その他
投稿日時: 2025/5/2 12:08
最終編集日時: 2025/6/2 16:41
注意: この小説には性的または暴力的な表現が含まれています
澄永 匂(すみながにおい)
連載中の作品は、金、土曜日辺りに更新予定です。
大学生&素人なので文章がぎこちないですが温かく見守ってください。
中学生の頃に作っていた話(元漫画予定だったもの)を書けたらいいなと思い、始めました。