第三話 惡戦苦闘

「おい、大輝、行け。」 そう聞こえたのは、大野さんが負傷して、復帰のめどが立っていない時だった。同級生からも応援の声があった。コートに入ろうとした瞬間に足がすくんだ。つい、ふと後ろをむくと、頼んだ、と言わんばかりの顔で俺を見つめる大野さんと、グッドマークを手で作る監督が見えている。もうやるしかない、という気持ちに後押しされて、コートに一歩踏み入った。相手のファウルによるフリースローが俺に託されて、一瞬で緊張が最高潮に達する。カチカチになった膝を少し曲げて打ったシュートは綺麗な放物線を描いてネットの音を立て、にリングへと吸い込まれた。この時の開放感はえげつなくて、心臓が飛び出るほどの緊張を背負っていた俺はそのカシャ、という入った音に気持ちよさを覚えた。 喜ぶ暇はなく、相手のドリブルが始まっていた。 すでに、相手がスリーポイントシュートの体制に入っていた。 次回 第四話 速い
川布
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中学受験期真っ只中の小6! 特に将来の夢とはありません((>_< ;) でも、じゃんじゃんマジレスして下さい! (ドMではありません) 主に連載をしています。 基本的には1日1話分ですが、気分がノッていると、1日3話とかもあります。毎日投稿は一応できる限り続けるつもりですので。 ちなみにフォローは遠慮なく☺️ もちろんフォロバしますよ!