レディーファースト

 0時を回った夜中にスーツ姿の男が頭を掻きながらビルを出た。残業していたのだろうか。男は過労を表したように顔色を悪くしていた。 男はトボトボと重い足取りで帰路に向かっていた。 そんな男に誰かが「ぴゅー」と口笛を吹いていた。 彼は口笛が聞こえた方に振り向くと、カシュクールタイプのワンピースを着た若い美人を見つけた。男は美人の方に同じく口笛を吹いた。 美人は男に近づいてヒソヒソと話しかけた。男は最初は驚いていたが、美人と腕を組んで機嫌良さそうに歩き出した。 子供を抱えたキャリアウーマンや、キャリーケースを持ってキビキビと歩く妊婦達は美人の方を睨んでいた。 男の家に着くと、美人は笑顔で先に出迎えるように、男のカバンやら上着を受け取り、洗面所に持って行った。それを見届けた男は美人をキッチンの方へ促した後、寝室に入った。美人はキッチンの方から、寝台で横たわった男にお茶を渡した。
しんきユーザー
「演歌の花道」のナレーションと「夢グループ」のCMが好きなちょっと変わった人です 好きな本は「ハリー・ポッター」です