B

B
勇人が学校に来なかった。 学校に行くと、沢山の警察と保護者が集まっていて、俺は妙な胸騒ぎを覚えた。 担任の先生は、勇人が行方不明になったと言う。クラスメイト達がザワつき、授業は自習になり、先生達は職員会議を開いた。 俺は親友の身の安全を心から願いながら、不安な一日を過ごした。 その日の夜、勇人の家族が殺された、というニュース記事を読んだ。テレビでも、全国放送で報道されていた。 もしかしたら勇人も…。なんて、最悪な妄想を振り払って、俺は無理やり寝るため、布団に潜った。いくら目を瞑っても、なかなか寝付けない己に腹立たしい感情を覚えた。 勇人は俺の親友だ。アイツは本当に優しくて、温厚で。控えめな性格だけど、妙に正義感の強い奴だった。 「圭哉はさ、家族って何だと思う?」 勇人は時折、俺を見ているようで、その遠くを見ているような、悲しい目をする。俺とずっと一緒にいるのに、どこか寂しそうな表情をするアイツの目を見ていた。でも、たまに本当に楽しそうに笑うアイツもいる。俺はアイツに振り回されることが好きなんだ。 「無償の愛をくれる特別な人達かな。俺とお前みたいな!」
まる
まる
学生です。 思いついたのを文章化しているので、内容は浅いです。 マイペースに投稿するつもりなので、よろしくお願いします!