#12
「なんの真似だ⁈」
目を手で覆い兵士は叫ぶ。
どうやら剣が現れた時の光で目がやられたらしい。アルトは瞬時に判断した。
自然と体は流れるように答えた。剣先を床面ギリギリに斜め下に向けて構え、右足を半歩引き半身で構える。思考が冷える。
一つ大きく息を吸い、アルトは半歩下げていた右足を前に踏み込んだ。構えた時と同じように、流れるように体が動いた。
床面から右上に振り上げられた剣は兵士の左腕を付け根から跳ね飛ばした。
そのままの勢いで右足を軸に体を捻り一回転。
今度は水平に振られた剣が兵士の首を刎ねた。
兵士は声の発する間も与えられることはなかった。溢れ出る兵士の血が足元を濡らし、あっという間に血溜まりが作られる。
それまで一瞬硬直していた兵士の体は、膝から崩れるように倒れた。アルトの服に最後の抵抗というには弱々しい血の跡を残し、完全に兵士は息絶えた。
0
閲覧数: 12
文字数: 825
カテゴリー: ファンタジー
投稿日時: 2024/9/26 1:34
注意: この小説には性的または暴力的な表現が含まれています
Zeruel
趣味の範囲で書きます。
また、才能があるわけではないので、馬鹿にされると言い返せなくて泣きます。
不定期投稿