久遠の図書館7(菜の花編)

久遠の図書館7(菜の花編)
花々が揺れる音にハッと目が覚め、私は上体を起こした。 気付くとそこは辺り一面が菜の花に囲まれた美しい景色だった。 「帰って来た……あの日のあの場所に」 「そうだ!もうすぐ防空壕からお姉ちゃんが来るはず……」 少しすると、仲良く手を繋ぎ、歌を歌いながらお姉ちゃんと小さな私が向こうから歩いて来た。 「お姉ちゃんだ……」 今まで何百、何千とお姉ちゃんに会いたいと願っていた。それが今、本当に叶うなんて夢にも思っていなかった。 私は涙を流しながら、お姉ちゃんの姿を目に焼き付けていた。 「もうすぐB29が来るわ……急がないと」
相澤愛美(@アイアイ)
相澤愛美(@アイアイ)
仕事柄、完全夜型人間です。よろしくお願いします🙋‍♀️ 感謝▶︎とあるお茶のフリーアイコン様