久遠の図書館7(菜の花編)
花々が揺れる音にハッと目が覚め、私は上体を起こした。
気付くとそこは辺り一面が菜の花に囲まれた美しい景色だった。
「帰って来た……あの日のあの場所に」
「そうだ!もうすぐ防空壕からお姉ちゃんが来るはず……」
少しすると、仲良く手を繋ぎ、歌を歌いながらお姉ちゃんと小さな私が向こうから歩いて来た。
「お姉ちゃんだ……」
今まで何百、何千とお姉ちゃんに会いたいと願っていた。それが今、本当に叶うなんて夢にも思っていなかった。
私は涙を流しながら、お姉ちゃんの姿を目に焼き付けていた。
「もうすぐB29が来るわ……急がないと」
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カテゴリー: SF
投稿日時: 2023/7/26 13:19
最終編集日時: 2023/7/26 21:22
相澤愛美(@アイアイ)
仕事柄、完全夜型人間です。よろしくお願いします🙋♀️
感謝▶︎とあるお茶のフリーアイコン様