短編②松浦蓮とプラネタリウム

短編②松浦蓮とプラネタリウム
「地球は人類のゆりかごである。しかし人類はいつまでもこのゆりかごに留まってはいないだろう。」  と、兄はよく言った。  出来のいい兄だった。  勉強ができるのはもちろん、頭が良かった。  見解が深くて、視点をたくさん持っていて、優しくて、穏やかで、平等で、そしてとても、強かった。    ふと兄を思い出したのは、今、蓮のクラスでは、ロングホームルームとして来週の課外授業であるプラネタリウムについて説明がされていたからだ。 「プラネタリウムは人数と時間が限られるので、2日間に分けて行きます。前半は1組から4組。後半は5組から7組です」  プラネタリウム、という単語に、高校生はあまり気乗りしないものだ。
逢坂
青春、現代ドラマ、日常が好きです。たくさん読みたいです。よろしくお願いします!