日の出

外が白み始めた。 とうとう、日が出てきてしまったようだ。 「最悪だ。」 意味もなく呟く。 まさか正月までパソコンと睨めっこをして、そのまま朝を迎えてしまうなんて思いもしなかった。 資料を作る手は止めず、ため息をつく。 マグカップの底にはコーヒーがこびりついて、乾いていた。 資料を作り終えて、ふと、部屋を見渡す。 机にエナジードリンクの缶が何本も横たわり、床にはもう使わないパソコンの説明書やら、会議の資料が散らかっている。 そのくせ、ベッドは綺麗に整えてある。
一ノ瀬奏
一ノ瀬奏
いちのせ かなで(Ichinose Kanade)と申します。 創作の源泉は教室に響く乾いたチョークの音とどこか遠くから聞こえる先生の声。 そんな贅沢なBGMを拵えて、本来「有意義」と言われるべきだった時間に「無意味」をつらりと重ねること、それが私にとって何よりの至福でございます。 私の奏でる不協和音が退屈極まりない日常に、「ふっ」と鼻を鳴らして笑ってしまう、どこか間の抜けていて、でも確かにそこにある「ズレ」をお届けできれば幸いです。 もっとも、私の旋律が顔も名前も知らない貴方のお耳に馴染むかどうかは保証致しかねますが。